願い

最近見た映画はワンピースフィルムレッドとドラえもん空の理想郷で、どちらも今の世界がクソすぎるからもっといい世界を作ろうという悪役だった。今の子供はこんなの見て育ってるのかやばいなと思った。

 

世界を憎悪してる系の悪役で私の印象に残ってるのは幽遊白書の仙水だ。彼は人類の負の歴史がひたすら書いてある本を読んで世界を憎むようになったという設定だったが、ワンピースもドラえもんもそういう契機はなくて、普通に生きてて普通に世界を憎んだし、それは自然な感情でしょう、ただその二作品の悪役は、偶然にも世界を変える力を持っていたみたいな感じだ。

 

この、世界を憎む動機が30年くらいでガラッと変わったのかもしれない。ただ生きてただ世界を憎むことが、視聴者に共感をもたらす。

 

そして取り扱ってるテーマが、ワンピースは「配信者とリスナーの関係性」だ。これはかなり悪意を持って描かれている。リスナーによって過激化、先鋭化する配信者と、それをあっさり見限りるリスナーが醜く描かれている。

 

ドラえもんのテーマは生き方の多様性だった。両作品とも、テーマがめちゃくちゃ現代って感じがする。私が子供の頃の子供向け映画もこんなに社会派だったのだろうか? 

 

大人になってから子供向け作品を見て思うことは、製作者たちの次の世代への願いみたいなものがめちゃくちゃ込められてるなということだ。前世代のクソみたいな価値観を断ち切って、新しい考え方で新しい社会を作っていってほしいという願いが随所に見られる。それは登場人物を多国籍にするとかセクシャルマイノリティにするとかのわかりやすいものではなく、登場人物たちの言葉選びみたいな細かい部分で見られる。