写真を撮ることの奇妙さ

会社にカメラを持っていって、昼休みに散歩しながら写真を撮ったりする。写真を撮るという行為は奇妙な行動だなと思う。昼休みにカメラを持って外に出る姿もまた奇妙な気がするので、そそくさと目立たないように出ていく。街でカメラを構える所作もまた奇妙だ。歩くということはどこかに向かって歩いている。とくに通勤時間帯やオフィス街では、目的もなく散歩している人は少なく、流れが形成されている。その中で突然立ち止まって、カメラなり iPhone なりを取り出して構えるというのはなんだか変な感じがしてしまう。違和感のある淀み。写真も映画も、それを撮影している人がいるということを考えると不可解な気持ちになる。わたしはカフェに行くのが好きで、その理由の一つに立ち止まりたいからというのがあって、日常でも歩行でも、やはり立ち止まることは難しいのだ。写真もまた立ち止まるために撮っているのだろうと思う。