半沢直樹を見た、復讐の物語について

いまさらかもしれないけれど半沢直樹を見た。倍返しってこれかー。

復讐、というのは暴力を正当化できる。正当化できると暴力の快楽を後ろめたさなく味わえるよねっておもった。結局はポルノだった。

 

ん、なんかあんまりにも言葉足らずなので追記しよう。

爽快感のあるドラマ、という話を聞いていて、確かにそれはあった。半沢が卑怯な罠にはめられるのはとても腹が立ったし、それらを打破していく姿は気持ちよかった。でも正当化された暴力を見ている感じが気持ちわるかった。半沢の奥さんも彼の個人的な復讐にふりまわされてかわいそうだった。

最後のシーン、ネタバレしちゃうけど、大和田常務の土下座のシーンは、視聴者の感情移入の対象は半沢ではなく大和田だったんじゃないかとおもう。ぼくはそうだった。

だから、オーラスで半沢が出向させられるのは理不尽というよりも、復讐物語の最後として理にかなっているとすら感じた。ただのクリフハンガーかもしれないけど。

勧善懲悪的王道物語は、正当化された暴力のような、いじめのような、そういう邪悪さをもっている。勝者によって記された歴史みたいな。だから悪役は、勝者に蹂躙される悲哀のようなものを見るものへ訴えかけなければともおもう。

勝者によって記された歴史のなかで、真実を語り得るのは悪役だけで、実際にそれをするのは悪役を演じる役者なのだろうとおもう。

つまりまとめると、けっこうおもしろいドラマでした。