無職

今、仕事をしていない。ちょっとした空白期間のようなものだ。新卒で就職した時、同期の人が、これからここで40年も働くのかというふうなことを言ったのが印象に残っている。えっ終身雇用前提なのか、と思った。その時の違和感を実現するように、私は結局ちょくちょく働いていない。大学も人より長く行ったし、人生の総労働時間は平均よりもかなり少ないだろうな。

仕事がないからといってどこかに行けるような時勢でもなく、家で本を読んだりゲームをしたり勉強したりしている。特に困らないし、ストレスもない。このような状況であるということが、私の引きこもりに正当性を与えてくれて、後ろめたさなく引きこもれる。

人と喋らないと言葉を忘れてしまう。思考は内省的になり、分裂する。他者への興味がなくなっていく。自分の考えていることを他人に伝えるという意欲も減り、それは結局考えるということが形を成さなくなっていく。誰にも伝える必要がなければ、なんというか、思考の輪郭のようなもの、境界のようなものもいらなくなっていく。

人々が互いに距離をとる社会は私にとって快適だが、そんな私ですら、何かを失い続けているような不安を覚えることもある。

だから人に会おうというふうにはならなくて、こうやってよくわからない文章を書いたりする。