床屋

髪の毛を切るのが苦手だ。いや別に自分できるわけじゃないから、正確には、切りに行くのが苦手だ。なんでだろう。まあ、なんとなく。めんどくさい。ただでさえめんどくさいのに予約してから予約した時間に行くというめんどくささ、かといって予約しないタイプの床屋とかだと結構混んでて待つというめんどくささ。結局かなりボサボサになってからどうしようもなくなってから行くというパターンになる。

1000円かそこらで切ってくれる床屋というのがたくさんあり、私の家の近所にもある。実際そんなにこだわりはないので1000円カットで十分だな安いしとは思うのだが、理容師も美容師も専門職で、そういう人たちをそんなに安く買い叩いていいものだろうかと不安にもなる。じゃあいくらが適正なのかというのはよくわからない。というようなことをもやもやと考え、結局今回は近所の、1000円ではない床屋に行った。

せっかく床屋に行ったので顔剃をしてもらったが、あれは緊張感がある。完全に生殺与奪を握られている。理容師が今突然気が狂ったら私は死ぬなと感じながら顔を剃られた。ジョジョ3部のアヌビスの話とか、スウィニートッドとか、床屋が人を殺す話を思い出す。床屋が私を殺して得られるメリットはほとんどなくて、だから私は安心して顔を剃られることができるなと思う。例えば私が独裁者だったら、私を殺したい人とか、私を殺して利益を得られる人が山ほどいるだろうから、誰かに顔を剃らせるなんてことはできないだろう。